vol.17 王宮で暮らすとして

王宮で暮らすとして


天井は広く

真っ直ぐの廊下に、厳粛な装飾

王の居る建物なのだから


そこに暮らすとして

気楽なポジション、つまり子息だとする

そういう自分を考えてみると

とても楽しい暮らしに思える


それなりの風貌で

建物内を闊歩する


上の階からの眺めは良いと思う

兵士の鎧が廊下にあって

祈る部屋、曾祖父の絵が額縁に

たくさんの人が座れる長い食卓に蝋燭


良いベッドで横になったり

鳥のさえずり


ここまではいい。


教師役が来て、あれこれレッスンしろと

行儀よくしろと

出来の良い兄や姉と比べられて

スマホもないし

ぎっしり満足チョコミントもない

つけ麺もないし。

なんもない。


だから

王宮で暮らすのも別にそんなに

めっさ良いって訳じゃない。


~fin~

MINTS

ロマンティック・ウェブマガジン

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