外は陽気で雀がちゅんちゅん鳴く音を耳にしながら
私は熱にうなされる数日を過ごしておったわけなのですが。
頭の中では、ギリシャ神殿の遺跡。
壊れた柱。
崖の上のその神殿は紀元前に作られたもので、
私が横たわっているのは西暦377年。
もうすぐ死ぬ運命なので、神の化身の大蛇に
いけにえとして捧げられた。
胸の奥に刺さった魔法のトゲ。
転生したら光り輝くクジャクとなる運命。
何世代も前の、古代の神々の時からの使命を
今やっと全うしようとしている..
遺跡には白いバラが咲いている。
薄くちらちらと輝くはごろもが風に揺れて
ふもとの湖畔からハープをつまびく音が聞こえてきて..
銀のレース..
サファイアの午後..
..
そんな事を
風邪薬で頭がぐるぐるする間
考えておりました。
病症なのか薬効なのか
普段考えつかないイメージがぽんぽんと湧く。
自動的に。
へへ..おもしろい..などと
それらを眺めながらぐーたらと
横になってればよいなんて
病気もたまにわ悪くない。
んで数日寝てたらもうぴんぴんして
薬のもっかなと思ったけど
「要らないや、こんなモン」って
グーニーズのラストばりに捨てちゃって。
まったくロマンティックじゃないけど
元気なのも別のロマンティックだよね。
~fin~
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